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2012.02.05 Sunday

雑談:フィールドオブドリームス

映画「フィールドオブドリームス」について雑文です。
ネタバレに近いので、未見の方は読まない事をお勧めします。

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「フィールドオブドリームス」という映画を最近見直しました。
ケビン・コスナー主演のファンタジー。
ある日、農作業中に聞こえた声に、最初は疑いを感じながらも、
やがて導かれるように型破りな行動をとっていく主人公。
アメリカ風俗史(ヒッピーカルチャーや反体制運動)を下敷きに、
ミステリーの薄皮を一枚一枚剥いでいく過程で、
人間関係の軋轢が生まれ、そしてそれを乗り越えていく。
最終的に「父性」との和解を淡々と描く実に滋味溢れる映画です。

(この手のライトファンタジーといえば、
例えば、「メイフィールドの怪人たち」とか、
近いフィーリングの作品が多数あって、
よくTVのロードショーで放映されていたような気もします。)

さて、「フィールドオブドリームス」ですが、
あらためて見返すととても心に響く物語でした。
結果的に、号泣するぐらい心が震えた。

ヒューマンドラマというわれるようなジャンルの映画がもつ、
押し付けがましい人間劇の喧噪もなく、
小気味よい演出でヒューマニズムを丹念に描くのですが、
その演出においても、大文字のアメリカ近代史の(ハリウッド)教科書的
な説明のたぐいもなく実にニュートラル。
”いろいろあった一個人”とその家族、友人の交流と冒険に、
意識外の声という、スピリッチュアルな”啓示”が大きな波乱をもたらします。
ただ、そのスピリッチュアルな啓示が向かう先は、
”ベースボール”という(世界国家)アメリカのスポーツへ向かっていく。
ベースボールを楽しむ国民ならば、あまり色眼鏡でみることなく、
フラットに物語の展開を追えると思います。

(平行して語られる、サリンジャーをモデルにした小説家のチョイスは、
死んだように生きた時間を取り戻す、積極的な回復を願う行為だと感じました。)

この主人公のように”いろいろあった”後にこの映画をみると、
実に感慨深いものがあります。

前回観賞したのは、小学生ぐらいの子どもでしたので、
人生で大きな損失をしたこともないし、
また、庇護される存在だったから、守るべき生活や信条もありませんでした。
だから、あまり映画自体のコンテキストを理解できなかった。
なんとなく、印象に残る映画だったので、
思い立って観てみたのですが、とても心が動かされる作品でした。

このフラットで希薄でありながら、突拍子もないところにロマンを見出す感じは、
ニューリベラリズムの気風を感じます。
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