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2011.09.26 Monday

がんばれがんばれ

私自身へ向けての言葉でもあるけど、
もっと頑張れる気がする。
いや、もっと頑張れ。

この稼業を初めてはや1年半。
場所の賃貸契約の更新が来月(二年契約)だから、
本腰を入れて動き出してから二年がたとうとしている。
新人経営者としての自覚が少し芽生え始めてきた。遅すぎるとしても。

いくつかのジレンマを抱えていることを告白したいのだけど・・・。
なかなかうまく言葉で表現できない部分も多い。だからちょっと違う話しを書く。
多分に感傷的な話しだが、個人的に重要なことだから。


当店で扱っているイベントやコンテンツは、
基本的にアンダーグラウンドだったりサブカルチャーだったり、
たまにカウンターカルチャーだったり、
突飛な現代美術だったりする。いずれいしろマイナー文化だ。

二年の間、私はこの稼業にしがみついて生きてきた。
本当に一所懸命に。

以前、私はあるサブカルチャーの雑誌編集部に出入りしていたことがある。
ものすごくマイナーな局所的な文化を扱っていた雑誌だった。
イベント企画もやり、小さなレーベルもやっていた。
どれもアマチュア・レベルのものだったけど、アマチュアが
プロに対するオルタナティブとして有効に機能していた時代の戦闘的なアマチュアだった。

そこでの私は正直「くず人間」だった。
どういう基準かというと、使えない人間として。
使えなさ、の根幹には、表現やその地盤にある生活に対する認識の
甘さがあったと思う。実際、甘かった。

私が(心の中で)恩人と考えている人は、その雑誌の編集長で、アーティストでもあった。

誠実な人だった。私には、その人がたまに愚直に思えた。
その印象は今も変わってないけど、あの愚直さが、
私の心に大きな作用を及ぼしている。
あの誠実さを思いだすと、私の心は静かに奮える。

特別な場所は人を束縛する引力がある、魅惑された人はそこから動けなくなる。
そして必死に守り、育み、「場所」を継ぐものとしての使命に奉職する。
あの人の愚直さは、そのようなものに起因するものではなかったか、と思う事がある。

当時の私は、その磁場の圏外すれすれのところにいた。
とすれば、私は、自由であった。
自由であるが故の甘さもあった。
その甘い態度で大きな迷惑もかけた。
そんな私には、その場から消え去る事も、
捨て去る事も選択肢として大きく掲げられていた。

私は、結果としてその磁場から離れたのかもしれない。
離れていないのかもしれない。
正直わからないのだ。
物理的には、その場所からは完全に離脱している。

しかし、どこか精神の奥底にあの場所の記憶や熱気が渦巻いているように感じる。
どす黒く、ぐねぐねと複雑で、力強い情念みたいなかたちで。
そして、好むと好まざると、私はその情念に突き動かされている。

いろいろな経緯を知っている先輩に、
「フォレストリミットにはお世話になった人のスピリッツが流れているね」
と言われた。私は本当に嬉しかった。

いろいろな惜別の上に、私の生活や活動は成り立っている。
多くの別れが、私をこの場所に運んでくれている。
そのすべてが良い別れではない。悲しかったり禍根を後に残したり。
まったくやりきれないけれども。
恩人との別れは、痛恨の極みであった。

私が継いだスピリッツとはなんだったのか?
今、その問いを、私は明瞭に感じられる「磁場」のなかで考えている。
場所が持つ引力と表現がもつ牽引力によって形成されている磁場、である。
もはや捨て去る事も、切り離す事もできない。
そしてそのスピリッツの実体を聞こうにも、その恩人はこの世にはいない。

がんばる、と自然に思う。
もっとやれるだろ?と自問する。
もっとやれるよな。

矜持を捨てない図太い表現が私はみたい。
逃げ腰ではない腹が据わった表現者と多くの仕事がしたい。


さて、最後にこの言葉を。
私にとって恩人のエピタフであるし、
私のスピリッツが回帰する場所である。

「Alternative Vision and Network」

ナパーム片岡
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