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2011.04.19 Tuesday

ラーメンの話。

 ナパーム片岡です。

ところで私の青春は中央線とともにありました。
中央線のサブカル(チャー)の引力に引きつけられてました。

そもそもその手のサブカル的なものにはじめて触れたのは書物ですね。
私が高校一年頃でしょうか、10数年前ですが、
通学していた静岡は富士市の高校の近くにアオイ書店
という比較的でかい本屋がありまして、
そこの一角にペヨトル工房や青弓社、コアマガジンなどが
占めるささやかなカルチャーコーナーがあったわけです。
銀星倶楽部のバックナンバーの隣に「世紀末倶楽部」があって、
そのちょっと隣は園芸コーナーで盆栽本が置いてあるような
(ポットプラネットとかも併置w)。
半径2メートルのカルチャーがものすごい振れ幅で、
「郊外」と「異端」の物理的距離は近かった。
当然私を魅惑したのは「異端」でした。

故あって上京してから三鷹の南口に住み始めました。
大学進学が上京の理由でしたが、
どちらかというと私を夢中にさせたのは、
中央線カルチャーだった気がします。
それを支える多くの店(書店、ギャラリー、ライブハウス、
オルタナティブスペースetc....)。

三鷹南口で個人的な「中央線的」思い入れが強い店は、
中華そば「江ぐち」と「時代屋」という古本屋です。

さて、その中華そば「江ぐち」は昨年惜しまれながら閉店してしまいました。
ところが、その「江ぐち」が中華そば「みたか」として復活したことを知り、
買出しで三鷹の近くまで行ったので恐る恐るよってみました。
なぜ恐れるかというと、あまりに旧日の江ぐちに思い入れが
ありすぎたからでしょう。喜び勇んで足を運ばなかったのも同じ理由。

この手の感覚は、江ぐちを知る多くのファンが抱いたことかと思います。
なんというか、とても特別な引力をもつラーメン屋だったのです。

それこそ、三鷹在住時代の私は毎日「江ぐち」通いでした。
それほどまでに狂ってしまった。
極めて作りが荒いラーメンでした。魔力を持ったラーメン。
なぜか奇跡的に成立し、存続し続けていた江ぐちの「そば」
(売上げ的には人気店ですのでつぶれる余地はないですが。。。)
再現は不可能と閉店した時点で悲嘆しました。
一子相伝の秘術が途絶したような感覚。

で、まぁ「みたか」に行きラーメンを食してきました。
同じ立地、居抜きそのままの店舗。
以前、下働きしていた大柄の兄ちゃんが威勢良くお出迎えしてくれました。
彼が、再興の主、メシア、あるいは魔のものか。
江ぐちでは七年修行したと聞きました。
まず、水が水道水じゃないのがなぜか残念。
カルキ臭い水に辟易してたはずなのに何故?
それはともかく江ぐち独自の製造ラインと製法は守っておるよう。いいねぇ。
五目ワンタンらーめんを注文しました。
江ぐちの五目はものすごく雑なもので、それが良い。
ワンタンはおまけ。実は一番楽しみにしていたトッピングはもやしでした。
伝統のスタイルでちゃっちゃと仕上げて提供してくれたのだけど、
オーダーが通ってなかったみたいで、ワンタンめんがきた。
ぐぐ、これじゃもやしが味見できない。しかし・・・まぁ面倒だからいいか。
問題は独特の麺とスープの出来なのだから。

極個人的な感想ですが、結論から申し上げると、
DNAは確実に引き継がれていた。
だが、江ぐちの味とは微妙に違う。
この微妙さがやはり惜しまれる。
麺のコシと風味が少し違う。
スープも少し弱い。
江ぐちは復元され得なかった、のか。
しかし・・・なぜだか私は納得した。

三鷹江ぐちはかの地で50年以上営業を続けていたはずだ。
私が知っているのはその最期の十年ぐらい。
それ以前の江ぐちは知らない。
そして、「みたか」に内包された「江ぐち」は、
私にとって身近なものだったが、
「みたか」が切り開く中華そばを私は知った。
この地であと50年「みたか」が続き、
多くの満腹と幸せと中毒を生み出していけばいいじゃないですか。
武蔵野に寄った際は、中華そば「みたか」にラーメンを食べにいきたいと思う。

PS
昔、「時代屋」の雑本コーナーにラーメン雑誌があって、
江ぐちの特集が組まれていたのだけど、
スープの詳細の作り方が開陳されていた。
ちょうど手持ちがなく購入しなかったが、
後日、買いにいくと既に売れていた。
雑誌名(ムックだったかも?)も分からず、
ずーと探しているのだけど見つからない。
いつかまた巡りある日がくるのか知らないけど、
その「幻」の雑誌を求めて、
古本屋の雑誌コーナーでラーメン雑誌をたまに掘り返す。
それはたまに思い出す習慣で、かれこれ10年以上続けている。


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