<< ジャズのエネルギー | main | REDRUM >>
2010.12.04 Saturday

破壊せよ、とアイラーは言った

本に憑かれる状態はいろいろあるのだが、
タイトルにがつんとやられる経験は特に快楽的だったりする。
中上健次の「破壊せよ、とアイラーは言った」はその中でも
私にとってとびっきりの一冊で、
以前どこかの本屋で見かけたのを買い逃してから五年ほど、
時が重なれば重なるほど想いは膨らみ、
もはや失恋とも呼びうるわだかまりを心の隅に沈殿させていたのであった。
肝心なその本の内容を私は知らない。
それがよけいに心を重くしていたのである。

つまるところ五年間私は心の隅でその本を探し続けていたのであるが、
ネット古書店をのぞけば在庫があるにはある。
しかし、いまいちクリックする気にならず、
たまの散策で出会った本屋の棚を探しまわる程度であった。

晴天の霹靂とは今回のことをいうのであろうか。
先日新しく見つけた代々木上原の本屋で、
資料の本を漁ったあと礼儀のように他の棚を散策し、
そのできばえに惚れ惚れしていたところ、
件の書籍が面出しで陳列されていたのに遭遇した。
前回は文庫だったのだが、今回は集英社の単行本で、
菊地信義装丁の生成色のカバーに生えるタイトルが美しい。
残念ながら帯は無いが初版であり保存状態が良い。
小躍りせんばかりの勢いでレジに持って行き即購入した。


・・・実は、本編はまだ読んでいない。
RUSHと名付けられたプレイボーイ誌に78年に掲載されたエッセイの一部を読み、
静かな興奮を覚え、そのままにしてある。
しばしこの興奮と期待を楽しんだあと、休日にじっくり読みたいと思う。
当然、破壊的な音量で破壊的なアイラーのSPIRITUAL UNITYをターンテーブルで
ドライブさせながら、である。

ナパーム片岡
コメント
コメントする








 
この記事のトラックバックURL
トラックバック